熊本県阿蘇山の北に位置する老舗温泉宿泊施設「阿蘇プラザホテル」のために、
熊本地震から一年となる2017年4月14日に合わせて一室のみを
オリジナル仕様にリノベーションするという震災復興支援プロジェクトです。
まずは既存の壁面を取り払うことでオープンな空間にしました。
そして、ぐるりと部屋を囲むような「デッキ」を設置することでダイニング、リビング、ミニキッチン、書斎といった
諸機能を部屋の外周部にバランス良く配置することができました。
こうすることで、部屋の中央部にぽっかりと「余白」ができ、部屋のどこにいても窓の外に広がる
阿蘇五岳の景色を楽しめる「視線の抜け」が生まれました。
さらに、一部のデッキの上にはソファやベッドを配置することで「展望台」のような気分で景色を眺められたり、
屋外まで伸びたデッキは「足湯」をしながらくつろげたり、その一部が浴槽となることで「露天風呂」のような感覚で
源泉温泉を楽しめたりするなど、デッキを最大限に生かしたデザインを各所に施しました。
内装には熊本の伝統工芸である竹編細工や、八代産のい草を使用した和紙、阿蘇の土や溶岩、
火山灰を使ったタイルといった地元の技術や素材を使用。料理も地元の食材をふんだんに使ったオリジナルメニューによって、
この土地に内在する様々な魅力を五感で感じられる特別な一室となることを考えたデザインとなりました。
51% | 終了まで | |
111人 | 0日 |