デザインオフィスnendoとMSが組んで、”ファイナンセンス”というサービスを開始。金融とデザインの力で事業者をサポートし、ブランドとその商品の魅力を高めることだけでなくブランドや商品のグローバル展開を目指します。発起人であるふたりが、ファイナンセンスに期待することや目標を語り合いました。
<右>佐藤オオキ:デザイナー、デザインオフィスnendo代表。2002年に早稲田大学大学院理工学部建築学科を修了し、同年、デザインオフィスnendoを設立。Newsweek誌「世界が尊敬する日本人100人」(2006年)に選出。Wallpaper誌(英)、ELLE DECO International Design Awardの 「デザイナーオブザイヤー」(2012年)をはじめとする世界的なデザイン賞を多数受賞。http://www.nendo.jp
<左>小松真実:ミュージックセキュリティーズ代表取締役社長。早稲田大学大学院修了。2000年12月ミュージックセキュリティーズ合資会社を設立。2002年株式会社化し、代表取締役就任。2013年世界経済フォーラム(ダボス会議)よりYoung Global Leadersに選出。2014年第二種金融商品取引業協会理事就任。http://www.securite.jp
——”ファイナンセンス”とは新しい言葉ですが、由来から教えてください。
小松真実(以下、小松):ファイナンスとセンスを掛け合わせたのが”ファイナンセンス” 「finan=sense.」です。技術などのもの作りの力を持ち、資金やデザイン力があればもっと挑戦できる企業や作り手を主なターゲットとしたサービスです。資金調達と、商品開発やブランディングなどのデザインという2つの方面からサポートを行い、そのような企業の皆様の商品を日本全国や世界へ発信するお手伝いをするというものです。
FinanceとTechnologyを合成した造語”フィンテック”が注目されていますし、私はシンプルに”フィンセンス”かなと思っていたのですが…
佐藤オオキさん(以下、佐藤):それは私が頑なに阻止しました(笑)。”ナンセンス”(意味のないこと、馬鹿げていること)というワードが入っていることに実は意味があるのだ、と。
金融とデザインの力を合わせて何か大きなことをしたいというのは小松さんと同じ気持ちだったのですが、ネーミングではあまりかしこまらずに、肩の力を抜くことも大切だと思ったのです。
小松:やはりセンスあるなと納得(笑)。そういうひとつひとつのアイディアや工夫もですが、nendoさんと仕事をするなかで、ある商品に少し遊びを加えたり美しくパッケージする、というセンスの力の偉大さを再認識していました。
かっこいいデザインだと事業者の方々が喜ぶという点に加えて、自分が作った商品の魅力を再発見することが多いというのが素晴らしいと思います。
佐藤: デザイナーが提供する価値には「整理すること」「伝えること」に加え、ブレイクスルー、つまり「飛躍すること」があると考えています。そのうち最初のふたつはデザイナーだけでも何とかなるのですが、ブレイクスルーはなかなか難しい。「予算がもう少しあれば」「リスクを取れる余裕があれば」等、どうしても先立つものが必要です。
その点、今回のファイナンセンスを始め、MSさんとの仕事は資金面を理解してもらえるし必要ならばリスクを取って挑戦させてもらえるので、ものすごくブレイクスルーしやすい。クライアントへ提供する価値も広がると思います。金融とセンスは、無理してではなく必然的に歩み寄ったんだな…とつくづく思いますね。
小松:MSを通じて投資してくださる方は懐が深い個人の投資家の方が多いし、小口から出資できるという柔軟性があるので、かなうことなのかもしれません。その点でも、本当に投資家の方や事業者の方に感謝したいです。
以前、佐藤さんとアートとクリエイティブの違いを話したことがずっと頭に残っていました。アートは自分が発信したいことや思っていることを作品として作る。主体的ではあるけれど、独りよがりになるところもある。一方、クリエイティブとは誰かから依頼されたことを予算も考えながら商品として形にする。必然的にやや受け身になりがち。
ファイナンセンスを通して、両者のいいところ取りというか、アートとクリエイティブを近づけることを実現したいと考えています。100発100中のnendoさんだから、ぜったいかなうでしょう!
佐藤:うわ、すごいプレッシャー(笑)。でも光栄です。
小松:nendoさんは、海外でも知名度があるし高く評価されています。例えば日本の小さな町の商品で、その地域では有名だけど全国や世界では知られていない。そういうものがnendoさんがデザインやブランディングを手がけることによって、世界に注目されるかもしれない。ファイナンセンスの魅力は、こういう、世界規模の商品展開も夢ではないというところにもあると思います。
佐藤:ありがとうございます。うまくブランディングができていなかったり発信力がないことが理由で、完成度は高いのに注目されていないものはまだまだたくさんあります。そういうものをデザインの力で世界に発信することで、事業者の方のお役に立てるのは、非常にやりがいのあることです。
——最後に、今後の目標を教えてください。
佐藤:“デザイナーがよかれと思ったものを製造し、一方的に消費者に販売する”というものづくりの流れを変えたいと思っています。趣味趣向やライフスタイルがより多様化するなか、今求められているのは、消費者の意見にもっと寄り添ったインタラクティブなものづくり。「こういうものがあったらいいな」という声をひとつひとつ形にするような、消費者と距離が近いデザイナー、デザイン事務所でありたいですね。
小松:まずは、ファイナンセンスから生み出されるファンドや商品をどんどん企画していきたいです。世界にうって出る会社やプロダクツがここから増えたら、そんなにうれしいことはありません。
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